【相続トラブルを防ぐ“遺言書”の役割】
2025年09月22日
相続をめぐるトラブルは年々増加しており、家庭裁判所の統計によると、遺産分割調停件数が2000年の8,900件から、2023年には13,800件まで増えています。
背景には、日本が超高齢社会を迎え、相続の件数自体が増えていることがあります。
残された家族の間での揉めごとは、心身ともに大きな負担となります。 その予防策の一つが「遺言書」です。
遺言書とは、自分が亡くなったあとに財産を「誰に、どのように分けるか」を示した法的な文書です。
似た言葉に「遺書」がありますが、これは気持ちを伝える手紙であり、法的な効力は持ちません。
遺言書は法律で形式が細かく定められており、正しい様式で作成しなければ無効になってしまいます。
遺言書が役立つのは、次のような場合です。
・不動産など分けにくい財産があり、相続人同士で揉めやすいとき
・法定相続人以外(例:長年介護してくれた義理の娘など)に財産を残したいとき
・相続人がいない、または行方不明の人がいるとき
遺言書は大きく分けると「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。
自筆証書遺言は手軽に書けますが、紛失や無効のリスクもあります。
一方、公正証書遺言は専門家が関与し、公証役場で保管されるため、トラブルを避けやすいのが特徴です。
セミナーなどで伝える際は、専門用語を細かく説明するよりも「遺言があることで家族が争わずに済む」「相続手続きがスムーズになる」といった効果を具体例で示すと、参加者の共感を得やすくなります。
また、「遺言書には法的効力のある部分と、思いを伝える付言事項がある」という話題は、聞く人の関心を引く切り口にもなります。
ぜひ、ご自身の言葉で整理してみてくださいね。
