“相続”が“争続”に…事例から学ぶ備え方

2025年11月04日

今回のテーマ

相続争続事例から学ぶ備え方

 

 ●事例

父親が遺言書を残さず兄弟間でもめたケース。

父親が土地や建物を複数持っていたにもかかわらず遺言書が無かったため

誰がどの財産をどの程度相続するかを巡ってトラブルに発展。

土地や建物は物理的に分割することができないため、意見が対立しやすく

今回のケースでも結局話し合いでは解決できずに、家庭裁判所へ調停を申し立てることに

調停への申し立てが進むと、時間もお金もかかり 金銭面でも精神面でもかなりの負担がかかります。

どれほど仲の良い兄弟でも、元の関係に戻ることは難しいでしょう。

 

●事例

遺留分を受け取れなかったケース。

Aさんには、前妻との間に長男、後妻との間に次男と配偶者がいました。

亡くなったあとに開封された遺言書には、 「すべての財産を後妻に相続させる」との内容が。

それを知った長男は驚き、遺留分(相続人に対して最低限認められている遺産相続分)

請求しようとしました。

しかし、遺留分の請求には時効があり

「相続開始と遺留分侵害の事実を知ったときから1年」で請求権が消滅してしまうのです。

仕事で忙しかった長男は、対応が間に合わず時効を迎えてしまい

結果として1円も受け取ることができませんでした。

 

これらの事例を見ると

・遺言書を正しく残すことの重要性

・事前に家族間での話し合いの必要性

・相続に関する知識の必要性

がはっきりと分かりますね。

ほんの少しの準備で、「争い」を「安心」に変えられます。